建物の減価償却とは何か? ビルのオーナー様は要注目

ビルのオーナー様にとって、所有物件の管理は大切なお仕事です。建物自体の維持管理はもちろん、納税をはじめとする法的な手続きも正確に行わなければなりません。その中でも流れがなかなか複雑で、やり方がよく分からないことも多いのが「減価償却」です。ここでは減価償却費の計算方法や、申告の注意点について解説します。




■減価償却とは、資産の価値を毎年少しずつ減らしていくこと



減価償却とは、不動産のような高額の買い物をした時に、その購入費用を分割し、毎年少しずつ経費として計上していくことをいいます。たとえば1000万円のビルを購入したとしても、その次の確定申告で総額を一度に計上するわけではありません。何十万円かに分け、20年以上の時間をかけて少しずつ計上して行くのです。「資産の価値を毎年少しずつ減らしていく」と言い換えてもいいでしょう。


では、なぜ減価償却をする必要があるのでしょうか? 基本的な考え方は、「物は年月を経るごとに劣化して価値が低下していくので、購入代金も分割して少しずつ計上しよう」というものです。加えて、高額の買い物を一度に経費計上すると赤字になってしまい、金融機関からの評価などに影響しかねないため、毎年の利益を正確に表そうという意味もあります。


そして、減価償却の注意点は、その資産が事業用なのか非事業用なのかによって計算方法が異なる点です。非事業用の資産は、納税額をなるべく抑えられるよう、償却率が事業用の1.5倍となっています。さらに、事業用は取得年次によって計算方法が異なる点にも注意しなければなりません。詳しくは次の項目で見ていきましょう。




■建物の減価償却費は、事業用と非事業用、新築と中古で異なる



建物の減価償却費の計算方法は、取得年次によっても異なりますが、平成19年4月1日以降に取得した場合は以下のようになっています。



【事業用不動産の場合】

減価償却費 = 建物購入価額 × 償却率 × 業務に供された月数 ÷ 12


【非事業用不動産の場合】

減価償却費 = 建物購入価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数


ここで重要になるのが「償却率」、すなわち毎年どのくらい減価償却をしていくのかという割合のことです。償却率は建物の法定耐用年数、つまり「あとどのくらい利用できるか」という年数ごとに決まっており、さらに法定耐用年数は建物の構造ごと決まっています。たとえば、事業用の鉄筋コンクリート造の建物なら、耐用年数は47年、償却率は0.022です。


では、中古の不動産の場合はどうなのでしょうか? 非事業用不動産の耐用年数は、中古でも新築と同じく構造だけで決まります。しかし、中古の事業用不動産の場合は、耐用年数を計算しなければなりません。その計算式は以下の通りです。


【法定耐用年数を過ぎている場合】

中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 ×20%


【法定耐用年数を過ぎていない場合】

中古物件の耐用年数 = 法定耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 0.2




■償却費を間違えて申告してしまった時はどうすればいい?



ここまで見てきたように、減価償却費の計算方法はなかなか複雑です。時には計算を誤ってしまい、確定申告後にミスに気づくこともあるでしょう。でも、ご安心ください。状況次第では、正しい金額に訂正することが可能です。


たとえば、減価償却費を正確な金額より少なく申告し、税金を余分に支払ってしまった場合は、税務署に対して「更正の請求」を行いましょう。こうすれば、税務署が正しい減価償却費で所得金額を計算し直す「減額更生」を行い、多く支払っていた所得税を返還してくれます。申請に使用する用紙は税務署で受け取ってください。


ただし、法人の場合はこの方法は使えません。法人の減価償却費は、償却限度額以内であれば自由に決めることが可能で、予定より少ない金額で申請してしまったとしても税法上の間違いにはならないからです。この他、いろいろと細かなルールがあるので、不安に感じる点があれば税務署や税理士に相談しましょう。


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